大原漁港でスケッチ修行
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先週末は泊まりがけで、四谷デッサン会主催の「大原スケッチ会」に参加してきました。千葉の大原漁港でスケッチをするこのイベントは、元々四谷デッサン会のメンバーたちが卒業した「セツ・モードセミナー」という学校の恒例行事だったそう。セツ・モードセミナーを始めた長沢節という人は、日本のモードデッサンの第一人者。その教え子、生徒達は驚くほどの数であり、多岐にわたる分野で活躍しています。
さて、そんなセツ先生は人物デッサンだけではなく、風景写生に対する造詣も深く、カリキュラムとしても人物デッサンと同じ情熱で、写生、風景画を教えていたようです。今回その大原でのスケッチ会の楽しさを蘇らせよう!という事で、僕はロケーションスケッチを柱にするアーバンスケッチャーズの一員として参加してきました!!
事前に聞いていたのは、セツの面々はスケッチのスケールが大きく、紙のサイズがB判半切り画用紙(540×765mm)との事!普段スケッチブックを片手に描く僕からすると、正直別次元です。例えばいつも使っているサイズがiPadくらいの大きさだとすれば、半切りサイズと言えば、居間に鎮座する大きめのテレビ画面ほどの大きさ!イーゼルを立てて描くのが基本と成ります。
そのスケールの大きさを体感したいと思い、僕も画板やイーゼルを用意して挑みましたが、しかし!正直全く歯が立ちませんでした!!持参した一番大き
い18号のブラシでも、小さいカッターナイフで巨大な鬼と戦うかのごとく、全く手応えがない!!「こ、、、こんなはずじゃ?!(汗)」うろたえている間に
も、動かぬ相手に心理戦で追いつめられます。。。なんせ画角がでかい!そしてその画角に、描く対象を収めるのさえ手探り!!ゼーゼーハーハーと言った感じ
です、ホントに!参りました!!正直かなり凹みました(笑)
下のふたつが、普段僕が使っているスケッチブックのサイズです。
半切りがどれほどのサイズかお分り頂けるでしょう?上の大きいのが半切り。
途中で放棄しました(笑)
しかしデッサン会の友だちを見るとどうでしょう!?彼らはちゃんと大きめの斧くらいの、家の壁でも塗るような刷毛ブラシ持参で果敢に戦っているではないですか!!ガーーーン!!や、やられた。。。そう、半切りサイズを相手にするには、やはりツールも別次元、大きめな刷毛なども用意しないと、到底無理のようでした。
四谷デッサン会の主宰K氏。慣れた手つきで自分のゾーンに入り景色を切り取ります。
半切りサイズでボコボコにされながらも、その半分の四つ切りサイズ(380×540mm)に挑むと、まぁなんとか、いつもの感じに近い感覚で描けました。その後も何枚か四つ切りサイズで描きましたが、なかなかシックリ来ず、やはりいつものスケッチブックに描く事に。やはり描き慣れたサイズというのは安心感?があるのか、描きやすさが違いましたね。
これは四つ切りサイズです。それでもいつもより大きい。
普段はペンでダイレクトに線を描きますが、これはオイルベースの鉛筆で線を描きました。
これらは普段のスケッチブックに描きました。
地元の漁師さん二人が船のペンキについて大いに語っていました。
かなり訛が強かったです(笑)
今回の旅を通して、本当に多くを学びました。そもそも、アーバンスケッチャーズも定例スケッチ会などを設けてスケッチをしたりしていますが、こうして一つの場所に泊まりがけで滞在し、その周辺をひたすら歩き回り、描きたい風景を切り取る、というロケハン作業をここまでする事は今までありませんでした。また、描き慣れない大きいサイズにどう対応するか?という、スケールの違う物の見方をする筋肉?を少しばかり使いました。
描きたくなる主題、切り取りたくなる構図を探す目が養われていない事がよく分かりました。
自分が「おっ!?」と思う物に出会えると、線が自分を引っ張って行ってくれる気がする。
最終的に辿り着いた結論は、いくら絵になりそうな景色であっても、そこに自分が「描きたい!」と思う要素がなければ、全く楽しくない!(線が死ぬ!)という事。これは既に分っているような気でいましたが、改めて実感しました。問題なく描いているのに、描いている楽しさが持続しない!つまらない!という事が何度もありました。やはり「これを描きたい!!」とか「こういう風に描きたい!!」と言う強い思いが、ペンや筆にパワーを伝える気がしましたね。これはかなり大きな気づきでした。
これらは描いているうちに詰まらなくなってしまった作品。
描きたい!と思わせる主題が漠然としすぎていて、、、。
大原スケッチ会自体は、スケッチのみならず、夕方には大原漁港で青空デッサン会を開催したり、翌日(日曜日)の朝には地元恒例の朝市があったりと(僕は用事があり、土曜日に帰らねばならず、とても残念でしたが)今回は天気にも恵まれて、地元の美味しいお魚も食べれて、かなり楽しい時間を過ごしました。何より、絵やスケッチを通して、同じ楽しみを共感できる仲間たちと過ごすのは何にも代え難い体験でした。
今回はどちらかというと、準備的要素を含んだプレ企画でしたが、来年はスケッチ、写生、アートを愛する多くの人にもアナウンスして、本格的に開催したいと思っています。こちらのブログでもお知らせしますので、どうぞおたのしみに!!
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