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Meet your USkJ friends Interview: Eriko Hamada

 

友だちインタビュー、今回は濱田恵理子さんです。ベトナムで描かれたスケッチは以前から拝見していたのですが、初めてお会いしたのは昨年11月、谷根千での定例会でした。「この辺りに古い家ありますか?」とキラキラした笑顔で飛び込んできた濱田さん。一緒に少し街を歩いただけで、ご自分が好きなもの、描きたいものが、はっきりとある方だとわかりました。その揺るぎない熱意と、気持ちのこもった作品にすっかり魅せられて、今回私から是非にとインタビューをお願いして、じっくりお話を伺いました。

 

Q. USkに参加したこれまでの経緯を聞かせてください。

 



USk Japanに参加し始めたのは、昨年末にベトナムから帰国してからでした。これからというところでコロナが流行ってしまいました。



USk自体に参加し始めたのは、2017年にイギリスに一人旅をしたときでした。USk
London
のメンバーの方の家にair bnbで泊めてもらい、連れて行ってもらいました。みんなで描いていた時の、街なかの道端に座って描くことの心地よさは今でも覚えています。



その後、住んでいたハノイでもUSk Hanoiというものがある事をfacebookで知り、連絡をとって徐々に参加するようになりました。当時はもう1人外国人にあたるフィリピン人の方が居たり、毎週日曜日に活動をしていたので参加しやすかったです。時々郊外に出かけたり、街中にある古くて貴重な建物などを教えてくれるので、ハノイのことを知ることもできました。描き始めるようになってからは、それをInstagramで投稿するようにしました。

 

Q. USk Hanoiのスケッチ会で、一番の思い出は?

一番の思い出は、みんなでダラットという中部地方に行ったことです。ベトナムの各都市にあるUSkのグループが集まり、3日間みんなでスケッチをして回り、最終日には展覧会が開かれました。日本人同士の旅行では行かないような所に行ったりみんなでスケッチできたのが楽しかったです。3日間一緒に過ごしたことで、今まで以上にに仲良くなれたのも嬉しかったです。


もちろん普段のスケッチでも思い出は沢山あって、突然降ってきた雨でみんなで雨宿りをしたことやいつもは入れないお寺の中に入れてもらったこと、描きながら街の人とお話ししたことなど、今でも鮮明に覚えています。

 







Q. 何をスケッチするのが好きですか?また、描いている最中はどんな事を考えているんでしょう?

 



私は建物を描くのが好きです。風景とも違って、建物そのものをいつも描いています。



描いている最中は無心だと思うのですが、その前後で、その建物の時間の流れを想像するのが楽しいです。

 





Q. 時の流れを感じるような古い建物に惹かれるのですか?また、人物や背景を入れずに正面から描くことが多いのはなぜ?







人物や周りを描かないことによって、絵を見る人の想像が膨らむからです。描いてしまうと時間がそこで止まり、描かれた人のいる、今のこの空間の絵になります。しかし、その場所にはここに描かれる以外の人も沢山存在していました。人は描かないけれど誰かが居たように描くことによって、絵を見る人に、時間を飛び越えた想像を膨らませてもらいたいと思っています。



建物を正面から描くというのは、美術大学に通っていた時から続いていることです。正直、はじめは何故そうしているのか自分でもわかっていませんでした。ただ、正面から描きたかったから描いていました。しかし、一見ただ正面から描いているように見えて、実はほんの少しずつずれないと見えない箇所もあり、様々な角度から見た正面の絵でもあります。そして、先程の人物や空間を描かないことに繋がり、建物の奥行きやパースを描き込んでしまうと、空間の絵になってしまいます。建物そのものを描きたい私にとって、様々な角度から見た正面を描くスタイルが、今は1番合っていると感じています。



Q. 原画を拝見すると、確かにほんの少しずつ動きながら微妙に角度を変えて見て、細かい部分を描いていることがわかります。写真からではなく現場にいるからこそ、見えるものを描き込んでいるのですね。

7月には亀戸で個展もされました。他にも下町を多く描かれていますが、描いて面白かった場所、これから描きたい場所はありますか?







何年も人が住んだり使ったりして時間を感じる建物を描くのが好きなので、必然的に下町になっているという状態です。



これまで私が住んでいた東京は、西側の新しい住宅街だったので周りに(私にとって)魅力のある建物はあまりありませんでした。昨年から葛飾区に住み始めたのも、下町のあたりに住んでみたいという希望があったからでした。懐かしい気持ちになる商店街や、気軽に声を掛けてくれる店員さん、同じ東京でも自分もここに住んでる人間なんだと感じさせてくれる雰囲気の街がすごく好きになりました。



そうやって葛飾区を楽しんでいたら(自転車で探索をしたり、描きたい建物を見つけてスケッチをしたりしていました)Instagramで私を見つけてくれた亀戸の方が声を掛けてくれました。展示のできるカフェを紹介する代わりに、亀戸を描いてみて欲しいという希望で、案内してもらううちに亀戸にもわくわくするような裏道が沢山あることを知りました。








Q. そうなんですね。私自身も足立区に数年住んだことがあり、千住や亀有、立石の商店街や飲み屋、東京の東側に残る庶民的な雰囲気は、今も大好きです。下町に何か思い入れがあれば教えてください。

 

私は小さい時から海外と日本を転々とする転勤族だったので、下町に住んだりよく遊びに行くということはありませんでした。ただ、海外に住んでいた分、日本の文化というものに敏感になっていたのかもしれません。以前は海外の文化に憧れていましたが、今は日本人である自分が住む日本らしさってなんだろうと考えるようになりました。それを考え始めたのが、ベトナムで教員をしていた時なのですが、帰国する時にあえて東側で家を探したのも、東京の下町に対する憧れがあったのだと思います。代々下町に住む「江戸っ子」も、私にとってはうらやましいです。今はそういう方々に助けられて葛飾区で楽しく過ごせています。

 


Q. アーバンスケッチを始めてからはスケッチがあなたの日常に何をもたらしましたか?

 



日常の変化というよりは描くことの変化になりますが、ベトナムでも日本でも、スケッチをするようになってからは街の人たちと話す機会が増えました。その人の家や店の前で描くのだから、描かれている方も気になりますよね。「この建物を描いてもいいですか?」というところから、描いている最中に絵を見にきてくれたり話をするようになりました。これまで写真を見て描いていた時は、知らない人の家だったのですが、どんなひとが住んでいるか、どんなお店なのかがわかって描くと、また違うなぁと感じます。



ベトナムでは、私が描いた絵を見た方が、街をもっとちゃんと見てみようと思うと言ってくれた時はうれしかったです。







Q. USk Japanでの活動として、今後どんなことをしていきたいですか?

 



みんなで同じ建物をかいたり、その場所の歴史なども聞いたりしながら描いてみたいです。まだ数回しか参加できていないのですが、いつかみんなでグループ展なども出来たら楽しそうだなとも思います。







Q. アーバンスケッチャーズのコミュニティーで好きなスケッチャーを教えてください。

 



ハノイで一緒に描いていた、Paq KheckhecさんとInstagramで見つけたDavidさんです。Paqさんは私が帰国するときに記念に一枚描いてくれました。

 

Paqさんの作品とご本人↓


Q. 普段どんなスケッチブック、ペン、筆、絵の具などを使っていますか?

 



ペンはtachikawa finepoints system0.05又は0.03を使っています。



水彩絵の具はベトナムの画材屋さんで購入したのですが、サクラクレパスのプチカラーという18色の固形水彩を使っています。まだそんなに色んな種類の絵の具を使ってみたことがないです。



スケッチブックは何冊かありますが、albiero clester の大きめの画用紙とマルマンアーチストメダリオンのスケッチブックを愛用しています。

 


まだまだ話は尽きませんが、この辺で!

正面から描くようで、実はほんの少しずつずれながら、様々な角度から見て描いているのが、私には印象的でした。その場で覗き込んでいるような臨場感があるのです。写真やストリートビューからは絶対に描けない、現場スケッチならではの面白さではないでしょうか。

その場の情景を描き捨てることも多いアーバンスケッチですが、何かを「描き残す」こと。人々の息吹や歴史を、作品として伝えることも、またひとつの大事なあり方だと思います。

ハノイをはじめ、これまで訪れたひとつひとつの場所に深い思い入れを持ちながら、次々と別の街に出かけて絵を描いて、新しいことに挑戦している濱田さん。
たくさんのスケッチ場所や展示の詳細、その他の作品の制作の様子は、Instagramでも紹介されています。皆さんも機会があればぜひ原画を見てください!

またお会いする日を楽しみに!

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